80代女性 Qさんの症例です。

「凄く綺麗にしていただいてありがとうございます!救っていただいて感謝しています。」
治療後にいただいたQさんからの嬉しい一言です。

治療後

Qさんが初めて永井歯科に来られた時、80代とは思えないハツラツとした女性で、年齢をお伺いした際にはとても驚いたのを覚えています。
私自身、Qさんが最後まで人生を駆け抜けていけるような治療をしようと感じたものです。

65歳くらいになると「もう年だらか」「あと10年若ければ」「治療は簡単に部分だけで」、「年金暮らしなので保険の効くものだけで」と高齢を理由にしっかりした歯科治療を諦める方もいます。費用もあり仕方がない一面もあります。しかしある研究によると現在60歳の日本人女性の4人に1人は100歳を迎えるそうです。80歳からであっても残された余生は想像以上に長くなります。「今後お口の状況はどのようにありたいのか?」「その余生をどのようにお過ごしになりたいのか?」といったことを踏まえた上で、「今どのような治療を選択するのか?」を考えねねばなりません。

超高齢になると通院にも介助者が必要となり通院そのものが制限されます。身体的な制限も増え、治療を受けたいのに思うように受けられなくなります。治療を受けることが出来ず食べられなくなると脳や全身の健康に一気に影響を及ぼします。

簡単に部分だけで治療すると入れ歯の作り替えや再治療の必要が頻発します。歯を残すことにこだわるあまりグラグラで噛めない歯をたくさん残しても仕方ないと言えましょう。重要なのは「最期までしっかり噛める歯であるのかどうか?」です。

60歳を超えたら、1カ所がダメになったら致命的な状況に陥るような歯では不十分でしょう。元気な間に先々まで見越した歯の治療を短期間でしっかり施すことこそが、私にできる役割だと考えています。いわばお口の終活です。

Qさんの話に戻ります。
Qさんが永井歯科を知るまでには、いろんな偶然があったそうです。
もともと10年以上通われた歯科がありましたが、ある理由があって当院にいらっしゃいました。

Qさんは他院で通院中から、右上4番がずっと気持ちが悪いという違和感をお持ちでした。
右上の1番前の前歯も残せない虫歯の状態です。

最初、残せる歯は残したいという思いから上顎左右3番から7番までの歯周病治療を試み、右上1番は虫歯になっているため、インプラントでの対応をお考えでした。

治療前

しかし全体の噛み合わせを考えた時、上の前歯が出っ歯になっています。これは上の歯列が弱り、噛み合わせが低くなってしまった結果です。

治療途中。奥歯だけでの対応を模索

上顎左右3番から7番の歯周病治療とそこだけの治療でなんとか噛み合わせのバランスを得ようと試みました。しかし適切な噛み合わせは作れず、有害な噛み合わせがどうしても残りました。

治療前のレントゲン

このように低くなった歯列に対しては、『フルアーチ』という上顎の歯列全体を考えて治療するのが有効です。

治療後

こと難症例に関しては、虫歯治療だけ、差し歯だけ、神経の治療だけ、歯周病治療だけ、インプラントだけ、噛み合わせだけ、メンテナンスだけ、など一つのことばかりにこだわると上手く治りません。
しかも予算も考えねばなりません。

部分だけ見るのではなく、全体で考えることがとても重要です。

今回の症例については、上の奥歯は左右に2本ずつインプラントを入れ、被せもので噛めるようにしました。
前歯は右上1番をインプラントにしないことで予算を浮かせることが出来ます。
浮いた予算を前歯のブリッジに回したのです。

こうすることにより、費用を抑えて全体によい歯列を作ることが出来ました。

治療前→治療後

弱っていた上の歯列がしっかりして、違和感もなくなりました。

治療前→治療後

当初に比べ、随分しっかりと噛めるようになりました。

以前は、永井歯科でも「短時間でたくさんの患者さんを診る」そして「部分的で全体をあまり意識できていない簡単な治療」をたくさんしてきました。

ですが国内外を問わず、多くの研修に足を運び、たくさんの学びの中で多くの知識を吸収してきたことを、歯で悩んでいる患者さんに一人でも多く届けたいと思うようになりました。

今では、難症例に対しても一人一人にしっかりと向き合い、きちんと治せる自信があります。
いい治療は大量生産できません。1日に診ることが出来る患者さんの数には限りがあります。
当院は「本当にきちんと治したいと思っている方に、しっかりとした治療をお届けしたい」と考えております。

全ては患者さんのために。

■治療期間
1年

■費用
インプラント1本45万円、セラミックの被せもの1本10~20万円。

■リスクと副作用
インプラントは外来での手術が必要です。高齢や持病によっては出来ない場合があります。清掃の不良があると天然歯の歯周病に類似したインプラント周囲炎が起こることがあります。
セラミックは割れることがあります。通常の使用で割れた際は保証の範囲で対応します。