ドクターブログ

NHKのインプラント報道

2016年11月17日 (木)

先日、NHKで「インプラント周囲炎などインプラント治療後3年以上 40%余」「治療後半年ほどで骨が溶け始めた患者も」といういささかセンセーショナルなキャッチがついた放送がありました。

 

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私はいぶかしく感じながらも自分の職業に直結するテーマでしたのでテレビ放送をしっかり視聴したところ、結論としましては『インプラント治療後のメンテナンスの重要性』を述べたものでした。 しかしながら、放送の切り口が大げさな上、画面上の文字は赤色にするなど、インプラントに対する不安と悪印象を与えるのではないかと感じさせるものでした。NHKは公共放送という立場上その影響力は大きいだけに、このような扇情的な脚色に、私は歯科医師として強い憤りを禁じ得ませんでした。

人生90年時代を迎えた昨今、ブリッジや義歯における限界や欠点を補う役割を担えるのは唯一インプラントであるだけに、このようなインプラントそのもの素晴らしさを否定しかねない報道のあり方はとても残念です。実際に当院においてインプラント治療をなさった方で、顎の骨が溶けてお困りの方は一人もいませんが、この放送をご覧になったことで不安に思いご質問なさった方はお一人いらっしゃいました。

私は放送の脚色に惑わされないよう次のように解説申し上げました。

 

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まず、その放送で伝えていたポイントは以下の5点であることを明示しました。

①インプラント周囲炎は歯周病と似ている

②3年経過の267人中9.7%にインプラント周囲炎が見られた

③前段階の炎症をあわせると43%の方が炎症を起こした

④30歳代から60歳代の80%以上は歯周病に罹患している

⑤ブラッシングやお手入れ、メンテナンスが重要 そのうえで次のようにお話しいたしました。

 

番組では「治療後3年以上40%余」という表現が画面のタイトルに赤字ででかでかと掲載されています。何が40%なの?というと「インプラント周囲炎など」ということになります。実はこの「など」の表現が曲者で、インプラント 周囲炎の9.7%だけでなく、わざわざ前段症状の33.3%を加えた数値を「40%余」という大きな数値にした上で赤字にしている点が過剰な脚色に受け取れます。

これでは多くの国民は「インプラントの治療をしたらインプラント周囲炎は40%に起こる!」と解釈し、インプラントに対しかなりの恐怖と警戒心を覚えかねません。更に言えば天然歯の炎症である歯周病のほうが80%と数字は明らかに大きいわけで、インプラント周囲炎の9.7%方が天然歯の歯周病80%に比して少ないことが分かります。

そもそも前段階の炎症はきちんとクリーニングすれば治るはずですし、インプラント周囲炎も適切な対処をすれば元通りとまではいかないまでもインプラントが維持できるレベルになるケースが大半ですので、何か悪い方向での新発見が行われたような印象をもたれたかと思いますが、どうぞご心配なさらず、きちんとしたお手入れを継続していけば大丈夫です。」

最後に、冷静に申し上げましてこの放送と私どもとの共通認識としては次のように結論付けることができるでしょう。 「天然の歯もインプラントも毎日きちんと磨かないと炎症が起こり得ることを医療者患者共に認識を共有する。だから毎日きちんと磨き歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける必要性も重要性もきちんと理解し実践する。」 この2つではないかと考えます。

兵庫県の尼崎、伊丹、西宮、宝塚の方々を中心に、予防歯科、定期検診、インプラント、オールセラミック、ジルコニアセラミックに力を入れ、地域の健康を支える歯科医院、のまきたパーク歯科、はまうらパーク歯科、永井歯科医院、歯科医師 理事長 永井康照