1日の唾液分泌量は?知られざる“唾液の力”を徹底解説!

2018年05月14日 (月)
皆さんは「唾液」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。多くの人は、その基本的なイメージとして「汚い」といった感情を抱くことが多いと思います。ですが唾液には、みなさんが思っている以上にさまざまな役割があるのです。そこで、唾液の1日の分泌量や、その知られざる働きについて解説します。

1日で唾液はどれくらい分泌される?

1日で唾液はどれくらい分泌される?

口の中で絶えず分泌されている唾液は、実は1日あたり1~1.5リットルも分泌されているのです。自販機で売られているペットボトルなら2~3本分、大きなペットボトルジュースであれば丸ごと1本分も分泌されている計算になります。
唾液の分泌量は人によって個人差があり、一般的にストレスや疲労、加齢によって唾液の分泌量は減少してしまいます。また、安静時と刺激時で分泌量が大きく異なり、刺激時には安静時の数倍の唾液が分泌されます。

唾液の働き①「物理的作用」

唾液の働きは、大きく分けると3つの作用に分けられます。一つ目が「物理的作用」です。粘膜や歯を保護する役割であり、さらに細かく分類すると3つの作用があります。
まずは、粘膜や歯を保護する「洗浄作用」です。口の中の粘膜や歯の表面が唾液によって覆われることによって、食事の際に食べ物が粘膜や歯にくっついてしまうのを防ぐことができます。
次に、粘膜への刺激をガードする作用である「粘膜保護作用」です。唾液は粘膜に対するさまざまな刺激から粘膜を保護する役割を果たしています。
次は「潤滑作用」です。粘膜の表面が唾液によって覆われていることにより、食事の際に食べ物を咀嚼したり飲みこむのを手助けしています。また、発音に際してもこの作用によって補助されています。

唾液の働き②「科学的作用」

唾液の働きの2つ目は「科学的作用」です。これは、唾液に含まれている成分によって口の中で科学的な変化を起こし、特に食事中においてその働きが大きな役割を担っています。
主な作用としては「消化作用」「溶解作用」「緩衝作用」に分類されます。
消化作用は、アミラーゼによって口の中のでんぷん質の消化を補助します。ご飯をよく噛んでいるとだんだんと甘くなってくるのは、ご飯のでんぷん質がアミラーゼによって糖に分解されていることが理由です。
溶解作用は、食べ物の中に含まれている味の成分を溶かし、味覚が働くことを助けています。緩衝作用は、口の中を中性の状態に保つ作用です。口の中は虫歯菌などによって酸性に傾くのですが、これを唾液が元の状態(中性)に戻そうとするのです。また、虫歯菌の作り出した酸によって溶かされた歯の表面のエナメル質も、唾液の働きによってもとに戻ります。これを「再石灰化」と言い、この働きが追いつかなくなると虫歯が進行して歯が溶かされてしまいます。

唾液の働き③「生化学的作用」

唾液の働き③「生化学的作用」

唾液の働きの3つ目の分類は「生化学的作用」です。これはさらに「抗菌作用」と「排泄作用」に分類されます。
抗菌作用は、口の中に存在する虫歯菌などの菌の増殖を抑える作用です。リゾチームやヒスタチン、ラクトフェリンといった酵素や抗菌物質によって虫歯菌などが殺菌され、その増殖を抑える働きをします。
排泄作用については、一部の薬物が唾液中に排泄される作用です。何らかの病気の治療のために投与された薬物の一部が、これに該当します。

唾液が少ないと口の中が危険に晒される

唾液には、実にさまざまな働きがあることがわかりましたね。ということはつまり、唾液が分泌されないとさまざまなトラブルに見舞われるということになります。先ほど「ストレスなどで唾液は減る」ということを説明していますが、何らかの理由で唾液の分泌量が必要量以下になってしまうことがあります。これを、口の中が唾液不足で乾燥してしまうことから「ドライマウス」と言います。
ドライマウス対策としては、まずは「食事の際によく噛む」ことです。先ほど「安静時より刺激時のほうが唾液が分泌される」と説明していますが、刺激時とはつまり食事の時です。この時、咀嚼回数が多いとそれだけ唾液が分泌されます。
次に「ストレス等、唾液の量を減らす原因を取り除く」ことです。ストレスの他にも飲酒や喫煙なども唾液の分泌量を減らしてしまいます。また、口呼吸の癖がある人も当然ですが外気にさらされることで口が乾いてしまいます。そうした原因があれば、速やかに取り除いてください。
あとは「唾液腺マッサージ」もお勧めの方法です。唾液は「耳下腺」「舌下腺」「顎下腺」という3つの唾液腺から分泌されており、ここを刺激することで唾液が分泌されやすくなります。
他にも古典的な方法として「酸っぱいものを食べる」といった方法もありますが、これらの方法を試してみても唾液の分泌量が改善されないこともあります。その時は何かの病気の可能性がありますので、早めに歯医者で診てもらってください。