一種類じゃないの?!歯医者で受けられる麻酔の種類とは

2018年03月26日 (月)
歯医者で治療を受ける際、抜歯や虫歯治療など様々な場面でお世話になるのが麻酔です。麻酔とは一口に言いますが、歯科で主に使用される麻酔には3つの種類があります。虫歯治療や麻酔と聞いただけでちょっと憂鬱な気分になる方もいるかもしれませんが、麻酔は治療をスムーズにするための大切なポイントなのです。今回は、そんな歯科で治療を行う際に使われる麻酔の種類、効果ついてご紹介します。

歯医者で使用する麻酔は基本的には局所麻酔

歯医者で使用する麻酔は基本的には局所麻酔

歯医者のみならず、医療機関ではあらゆる場面で麻酔を使用されています。手術時の患者の負担を減らす、術後の痛みを和らげる、または胃カメラの際に苦痛を感じないようにする、など、日常的に麻酔は使われており、現代医学とは切っても切れない関係にある大事なモノです。もちろん、歯科でも大活躍の麻酔ですが、歯科治療の場面で使用される麻酔はほぼ間違いなく局所(部分)麻酔で行われます。
局所麻酔とは、全身麻酔とは異なり麻酔の範囲が限定される麻酔のことを言い、手術中でも痛みや苦痛を感じなくなる大きなメリットがあります。全身麻酔は中枢神経系に効果を及ぼし、身体全体に麻酔の効果が広がるため眠ったように意識が遮断されますが、局所麻酔は意識を保ったままです。歯科の治療では、虫歯治療や抜歯、神経を抜くケースなど一般的な治療ではほぼ局所麻酔で治療が行われていますが、その麻酔には3つの種類があります。次の項目からは歯科治療で使われる麻酔の種類と効果についてご説明します。

表面麻酔

歯科治療で使用される麻酔の1つが表面麻酔。歯科における麻酔というと注射針を使って行うイメージがありますが、こちらの麻酔は歯茎に直接麻酔薬を塗布して使用するタイプです。口内の麻酔薬を効かせたい部分にコットンやガーゼに染み込ませた麻酔薬を数分間当てることで麻酔の効果が現れます。
効果としてはそれほど強いものではありませんが、それでもなぜ表面麻酔が使用されるのかと言うと、表面麻酔は次の項目で紹介する浸潤麻酔を導入するための麻酔として非常に効果的だから。「麻酔をするための麻酔」としての顔を持つ表面麻酔は、ちょっとした痛みを伴う歯のクリーニングや切開を行う際にも使用されており、痛みのない麻酔として大活躍の表面麻酔です。

浸潤麻酔

歯科で使用される麻酔の中では比較的強い効果を発揮し、昔から一貫して使用されている麻酔が浸潤麻酔です。こちらは麻酔を作用させたい歯茎の部分に注射針で麻酔薬を直接注入する麻酔法であり、歯茎に直接針を挿し込むため当然ながら痛みを伴います。かつては、虫歯治療や神経を抜く前に行うこの浸潤麻酔が治療の中で1番痛みを伴う、怖い、という声もありましたが、さきほどご紹介した表面麻酔を事前に行い、麻酔をかけておくことで注射の痛みをかなり軽減することができます。
表面麻酔を行った上で浸潤麻酔を行う、というのが主流となっており、昔ほど歯科治療で痛みを感じなくなった、と感じる方は、この浸潤麻酔の導入方法の差が大きく作用しているのかもしれません。また、この浸潤麻酔をスムーズに、痛みを抑えて行うために注射針を細くしたことや、針のない注射器や電動注射器を開発したことも大きな要因となっています。日々進化する治療器具と、より患者に負担をかけずに治療をしたいと願う歯科医の努力によって歯科治療は苦痛の少ないものに変わってきているのです。

伝達麻酔

伝達麻酔

下の歯の奥歯を治療する時、親知らずを抜歯する時、または一度に多くの歯を治療する時などで使われるのが伝達麻酔です。上の歯に比べて下の歯は麻酔が効きづらい箇所となっており、さきほどご紹介した浸潤麻酔をもってしてもあまり効果が現れない場合があります。そんな時に伝達麻酔は使用され、浸潤麻酔と併用されることが多いです。
表面麻酔や浸潤麻酔は治療する場所にピンポイントで麻酔薬を作用させていましたが、伝達麻酔は麻酔を効かせたい場所からちょっと離れた部分に麻酔をかけます。口内のより脳に近い部分に麻酔をかけることで、その下の部分を通る神経全体を伝達するように麻酔が作用し、浸潤麻酔に比べてより広い範囲に効果を及ぼすのが伝達麻酔です。また、伝達麻酔は効果時間が長く続くため、治療後の痛みを軽減してくれる効果もあります。

恐怖心を和らげるための麻酔がある?

虫歯治療や抜歯など、歯科では口内に局所麻酔をした上で治療するのが一般的ですが、そのような麻酔の導入や治療が怖い、という方もいることでしょう。そんな方々の恐怖心を和らげる効果のある麻酔の1つが吸入鎮静法と呼ばれるものです。こちらは笑気ガスと呼ばれる鎮静、鎮痛効果を持ったガスタイプの麻酔を鼻から吸引し、ぼーっとリラックスした状態の中で治療を受けることが可能となります。通常はさきほどご紹介した局所麻酔で治療を行いますが、局所麻酔が難しい低年齢の患者、または高齢者を治療するケースでは痛みを全く伴わない笑気ガスを利用した麻酔が有効とされています。
また、笑気ガスを利用した麻酔よりも高い効果を持つのが静脈内鎮静法です。こちらは笑気ガス以上の効能を持つものであり、鎮静薬を直接腕に注射して導入する麻酔です。大規模な治療を行うケースやインプラント治療を行うケースで笑気ガスに変わって導入されることもあり、笑気ガスよりも更にゆったり、ぼんやりとした気分で治療を受けられるメリットがあります。口内で作用させる局所麻酔だけでなく、痛みや恐怖感を和らげる様々な麻酔法により、歯科治療はより快適なものへ進化しつつあります。