知っておきたい!インプラントを成功させるために知っておきたいリスクと心構え

2018年03月12日 (月)
インプラント手術を考えている方はインターネットや歯医者から話を聞き色々と情報を集めているのではないでしょうか。患者さんの多くはインプラント症例経験数が多い歯医者を選ぶ傾向や、インプラントの価格が安い歯医者を選ぶ傾向があります。確かに歯医者の技術力はインプラント成功の可否に大きく影響してきます。
それに生体へ影響が少ないと言われる純チタンを使ったインプラントは通常のインプラント治療に比べ割高になっている印象も受けますね。
しかし、技術側だけでなくインプラント治療のリスクは患者さん側にもあるというのを理解していますか?患者さんのどう言ったところがリスクとしてあるのか紹介していきます。

全身疾患というリスク

全身疾患というリスク

インプラント治療を検討している方の多くは60歳以上の方です。年齢的にも生活習慣病やメタボリックシンドロームに引っかかる時期で全身疾患を抱えやすいです。全身疾患と歯科の関係は近年研究が盛んに行われています。その中でもインプラント治療のリスクとして有名な全身疾患を紹介していきます。

■糖尿病
糖尿病とは血液中の血糖値が高い状態が続いている病気です。血糖値が高いと血管に負荷がかかるだけでなく様々な弊害も出てきます。
まず血糖値が高いと身体の免疫に関わる白血球の働きが弱くなります。免疫システムの低下につながるので細菌感染症が進行しやすくなるのです。
口腔内でインプラントに影響する細菌感染症といえば歯周病です。免疫システムの低下は歯周病の進行にも大きく関わってきます。

■骨粗鬆症
骨粗鬆症は閉経後の女性に多く発症します。骨粗鬆症は骨を作る骨芽細胞と、骨を吸収させる破骨細胞のバランスが乱れ発生します。
骨粗鬆症を放置しておくと寝たきりなどの原因になりかねないので治療を行いますが、治療薬がインプラント手術の際に少し厄介になります。
その治療薬というのがビスホスホネート製剤というものです。これは骨を強くする効果がありますが、骨に細菌感染が起きると骨を溶かしていくのです。顎の骨の量が必要なインプラントにとっては大きな痛手となるのでビスホスホネート製剤を服用している患者さんは事前に歯医者へ申告しておきましょう。

■関節リウマチ
関節リウマチは自己免疫疾患の一つです。自分の身体を異物と認識してしまい攻撃する病気で治療薬としてステロイド薬が使用されます。ステロイド薬を長期間使用すると骨粗鬆症を招く恐れがあります。
骨粗鬆症は前述の薬のリスクもありますが、骨が折れやすくなっているのでインプラント手術には向かないです。

■貧血
貧血とは血液中の酸素濃度が低くなり身体の中で酸素の運搬が正常に行われていない状態のことです。酸素は治療の過程でも必要不可欠なもので貧血の患者さんは傷口の治りが遅いことや免疫力が低下することが報告されています。

口腔疾患や口腔に影響のあるリスク

全身疾患だけでなく口腔領域にもリスクはつきものです。

■歯周病
歯周病は言わずもがなインプラント治療においてのリスク因子です。インプラントは一度治療が完了すれば死ぬまで抜けることがないと考えている人は歯周病でインプラントもなくしています。インプラントの歯周病は「インプラント周囲炎」と呼ばれていて、骨とボルトの結合が弱くなり顎の骨が溶けていきボルトが支えられなく抜けてしまうのです。
インプラントだからと言って油断せずに丁寧に歯磨きをするようにしましょう。

■喫煙
喫煙をしている人としていない人でインプラント手術後の予後を調べていくと明らかに喫煙している人の方が予後不良です。それはタバコに含まれて居る有害物質が原因で、毛細血管など血管を収縮させる効果があるからです。血管が収縮すると血液中の酸素や白血球が充分に歯周組織へ働かなくなり手術後の治癒遅延を招きます。手術前後は禁煙できればしてもらうと治癒遅延を回避できることもあるのでぜひ喫煙されている患者さんには禁煙の協力をお願いします。

■磨き残し
歯磨きが上手にできていない患者さんは歯周病の発症リスクが高くなります。歯周病はすでに紹介しているので割愛しますが、歯磨きはインプラント治療が終了してからも重要なリスク因子となります。

■骨量の低下
骨量の低下というのは顎の骨が減少することです。人間の骨は加齢とともに吸収していきます。残っている骨の厚みがインプラントには重要となるのです。骨量はもし足らなければ骨増殖を行うこともできます。

患者さんが心がけておくこと

患者さんが心がけておくこと

患者さんには歯医者を選ぶ権利があります。そのため歯医者が今までどのくらいインプラントの症例を経験してきたのかを調べるのでしょう。
しかし、患者さん自身にもリスク因子があることが理解できたかと思います。医科で取り扱う疾患(全身疾患や遺伝病)がある場合は医科担当医師へ相談をしておくことも大切です。必要に応じて歯医者から医師へ意見書をもらうことがあるからです。
他にも歯磨きはインプラントのリスク因子ですが、インプラント治療後にも引き続き歯磨きができなければインプラント周囲炎になるリスクは高いです。
患者さん自身のセルフケアの怠りもインプラントのリスク因子の一つだということを忘れないでください。