インプラント治療に年齢制限はある?

2017年12月4日 (月)
白い健康な歯は、見た目だけではなく、正しく噛んだりかみしめたりしときの力のバランスなど体の様々な部分にとって重要なことです。その歯を失ってしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。

選択肢はたくさんありますが、「インプラント」という手があります。インプラントといえば、お金持ちの中高年が行うようなイメージですが、若い人や子供のうちでも病気や事故で歯を失ってしまうことはあります。生まれつき歯が足りない人もいます。

若いうちにインプラントを入れて、その後の人生に影響が出ることはないのでしょうか?インプラント治療の年齢制限について見ていきましょう。

インプラント治療の年齢制限

インプラント治療の年齢制限

インプラントとは、顎の骨に人口の歯根を埋めいれて歯の機能や見た目を取り戻す治療のことです。ブリッジのように周囲の歯に負担をかけず、差し歯よりも安定していますので、広く行われています。特に法律などでインプラント治療をしてよい年齢などの制限はありません。

インプラント治療そのものは誰でも受けることができますが、ルールとは別に医学的な意味でインプラント治療に適している年齢というのがあります。インプラントは、適した目に見える「歯」としての部分ではなく、顎の骨にアプローチする治療で、顎の骨の状態や口の中の状態によってインプラント治療を受けられない可能性があるのです。

若年者のインプラント治療

成長期にある子供は、骨が成長するとともに歯が動いていきます。大体6歳くらいまでに乳歯が揃い、13歳前後まで乳歯と永久歯が混在して、その後永久歯が生えそろっていきます。個人差が大きいものの、顎の骨の成長は女性で20歳、男性では25歳前後まで続くと言われています。

顎の骨が未熟なうちにインプラントを埋めても、周囲の歯や骨の成長に影響が出てしまいます。顎の骨の成長を正確に予測することは難しいので、若いうちにインプラント治療を受けると、計画の通りに治療効果を得ることができない場合があります。

高齢者のインプラント治療

高齢者のインプラント治療

顎の骨がある程度成熟した時期であれば、何歳でも可能なインプラント治療。ただしこれは、健康であることあ前提です。現在では20代でも75%が歯周病であると言われています。

歯周病は自覚症状がなく進行するのですが、歯茎の腫れや違和感、歯茎からの出血などの他に、歯を支えている顎の骨が破壊されてしまうのです。インプラントは顎の骨に人工歯根を埋める外科手術になりますので、土台となる顎の骨が足りないと、インプラント治療を行うことができません。また、手術中に口の中の菌が骨の中に侵入すると骨髄炎などの重篤な合併症を引き起こしてしまう場合もあります。

また、高齢になるにしたがって、糖尿病や高血圧などの基礎疾患を抱えていることも多く、麻酔や出血、感染のリスクが高い場合にもインプラント治療を行うことができない場合があります。体力や骨の状態から言って70~75歳くらいが限界と言う歯科医師が多いようです。もちろん個人差がありますので、健康で骨の状態が良ければ80代90代でインプラント治療を行うこともあります。

年齢以外でインプラント治療ができない場合

インプラント治療に適した年齢は20~70歳くらいのようです。では、この年代ならいつでもだれでもインプラント治療が行えるのでしょうか。基本的には可能ですが、インプラント治療に適さない方もいます。

比較的多いケースとしては糖尿病で血糖値のコントロールが難しい方です。糖尿病は膵臓の機能が低下する病気ですが、全身に影響が出るためにインプラント治療にも影響が出ます。糖尿病になると、細胞にエネルギーを取り込むことができなくなり、血管内には血糖があふれているために組織に酸素や栄養素がうまく届かず、全身に障害が起きてしまうのが特徴です。

この状態でインプラント治療を行った場合、うまく回復することができず感染や出血のリスクが高い場合には治療を行うことができない場合があります。同様に、コントロールが難しい高血圧症の方や、心臓病があって口の中の細菌が心臓に及ぶような方もインプラント治療は避けたほうが良いとされます。この他に、重度の骨粗しょう症で骨密度が極度に低下している方もインプラント治療に適していません。

ただし、骨を移植したり、骨を再生させたりする治療もありますので、併用することでインプラント治療が行えるようになる可能性があります。

インプラント治療を行えるようになるためには、口内環境を良好にしておくことが重要です。特に喫煙者の方の場合ですが、喫煙は歯茎の毛細血管が収縮し、血流が悪くなることでキズの回復が遅れたり、骨の再生を遅らせたりしてしまいます。

せっかく治療を受けても、口の中の食べ物のかすや細菌が多いと、インプラント周囲炎などを引き起こす場合があります。治療前も治療後も歯医者さんの指導をよく受けて、口の中を清潔に保つことが重要です。